社会保険労務士・中小企業診断士 久保事務所は、人事労務分野で経営をサポートする東京都千代田区岩本町の社労士、経営コンサルタント事務所です。

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平成30年度の最低賃金改定額について

全ての地方最低賃金審議会で、今年度の地域別最低賃金が答申されました。

すべての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました ~答申での全国加重平均額は昨年度から26円引上げの874円~

最高額は東京都(985円)、最低額は鹿児島県(761円)です。

答申内容は、異議申立期間を経て都道府県労働基準局長の決定、公示により、正式に発効します。10月1日以降に発行される予定です。

この規制は罰則(50万円以下の罰金刑 最低賃金法第40条)付きの規制です。各事業場で最低賃金に抵触していないか、必ず確認するようにしてください。参考までに厚生労働省の確認手順を示したサイトを紹介します。また、顧問先の皆様におかれましては、お気軽にお問合せ頂ければと存じます。

最低賃金額以上かどうかを確認する方法

 

兼業する労働者の労災保険給付について

【NHK】労災保険 副業・兼業で過労の場合の仕組み 厚労省が検討

複数の使用者と雇用契約を締結し、労働している労働者が労働災害に被災した場合の労災保険給付について、厚生労働省が見直しを検討し始めたようです。

労災保険給付には、治療費のような医療サービスを現物で支給するものと、被災事業所から受け取った賃金に基づき休業、後遺障害、死亡の際に給付される現金給付の二種類があります。今回は、後者の現金給付について見直しをすると報道されています。そして見直す理由についてもNHKの報道で紹介されています。

現金給付の額は、過去3か月間の平均賃金を基に決まるのですが、その際の賃金とは、被災事業場の使用者から受け取った賃金だけです。複数の使用者から賃金を受け取っていても、被災事業場以外の使用者からの賃金は給付額に反映されません。複数事業場で労働する労働者のなかには、一つの事業場だけの賃金では十分な生活ができない方がいるでしょう。被災労働者にとって、現行の制度では補償が不十分になってしまいます。
(さらに…)

【東京商工会議所】2018年度 中堅・中小企業の新入社員の意識調査結果について

東京商工会議所で、同所の「新入社員ビジネス基礎講座」を受講した新入社員を対象にした調査の結果が公表されました。

【東京商工会議所】2018年度 中堅・中小企業の新入社員の意識調査結果について

今回は、この調査結果の内容を確認し、中堅中小企業の採用に必要なことを私なりに考えてみたいと思います。

1 回答者のプロフィール(n = 1,047)
学歴(多い順から3つ):文系大卒 46.0%,高卒 15.8%,理系大卒 14.9%
就職先の企業規模(資本金額・多い順から3つ):1000-5000万円 41.2%,5000万-1億円 26.2%,1億-10億円

2 アンケート結果
就職活動で苦労したこと:自分のやりたいことがわからず悩んだ、スーツや交通費に予想以上にお金がかかった、説明会や面接の日程・時間の調整 但し、日程・時間調整は前年に比べて16%あまり減少した。

インターンシップへの参加:「参加した」44.9%だった。就職先の資本金額が多くなるほど参加割合は高くなり、10億円以上で56.8%、1-10億円で49.7%が参加した。

以下は、多い順から3つをそれぞれピックアップしています。

就職活動の開始時期:3月末以前33.0%,2月末以前16.8%,5月末以前13.1%

内定時期:昨年の7月末以前25.7%,昨年の12月末以前23.5%,昨年の9月末以前20.6%

内定数:2社以上内定を受けた者の割合:41.1%,大卒文系では56.5%,大卒理系44.8%

入社した会社を知った経緯:求人サイト37.9%,学校就職部17.9%,知人の紹介12.4%

入社した会社を選んだ理由:仕事の内容が面白そう46.7%,職場の雰囲気が良かった35.2%、自分の能力・個性が活かせる34.6%

社会人生活を送ることで感じる不安:「仕事と生活のバランスがとれるか」53.1%、「上司・先輩・同僚とうまくやっていけるか」52.6%、「仕事が自分にあっているか」47.8%

3 アンケート結果から言えること
就職活動で苦労したことの第一位が「自分のやりたいことがわからない」というものであり、入社した会社を選んだ理由の第一位が「仕事の内容が面白そう」であったことに留意する必要があります。月並みな意見なのかもしれませんが、採用活動で学生に伝えるべき一番の内容は、やはり自社の業務内容やその業務のやりがいということになるのだと思います。

但し、新入社員が社会人生活を送ることで感じる不安として、「仕事と生活のバランスがとれるか」、「上司・先輩・同僚とうまくやっていけるか」を挙げている点を、会社は正面から受け止めるべきでしょう。前者は長時間労働、後者はハラスメントという、まさに近年の労働問題を代表しています。会社は業務内容や入社後のキャリアを分かりやすくアピールするとともに、適切な労務管理を実践することと、その実践内容を学生に伝えることが、よい人材を獲得するために必要だと示唆しているのではないでしょうか。

業務内容や今後のキャリアについては、学生がアクセスしやすい情報である求人サイトなどで分かりやすくアピールすることが効果的でしょう。その際、学生が就職活動の情報収集を始めるタイミングを参考にして、適切な時期に情報発信することが重要です。一方、適切な労務管理を実践し、安全で快適な職場であることを学生に伝えるためには、くるみんマークユースエールなどの国の認定制度や、社労士会が推奨する経営労務診断サービスを活用することが有効であると考えます。

中堅中小企業の採用時期は、大手企業と比較すると長丁場であるという印象があります。そして学生が複数社の内定を獲得している場合が少なくないことを考えると、中堅中小企業の採用活動はやはり厳しいと言えるでしょう。学生の動向を正確に把握するとともに、魅力ある職場を作り上げ、発信するという地道な活動を続けることが、採用活動を成功に導く鍵であると考えます。

【厚生労働省】生産性向上の事例集公表について

【厚生労働省】賃金引上げに向けた生産性向上の事例集を作成しました

厚生労働省から、賃金引き上げに向けた生産性向上の事例集が2種類公表されました。

 (1)生活衛生関係営業 生産性・収益力向上の取組事例集~賃金引上げのヒント~
(2)生産性向上の事例集~最低賃金の引上げに向けて~

(1)は、経営強化法に基づく経営力向上計画の認定を受けた、飲食業、宿泊業などの生活衛生関係の業種の事例で、(2)は、業務改善助成金の活用事例をまとめたものです。

生産性向上のためには、資源の投入量(労働生産性においては労働力の投入量)を削減するか、付加価値(営業利益に一定の費目を加算した額)の増加させるかの何れかが必要です。

労働力の投入量の削減については、効率や能率の向上に伴って労働時間を短縮する方向での取り組みが行われることになりますが、余剰人員が生じている組織ではなかなか効果が得られにくいでしょう。その点を考えると、付加価値の増加に資する取組は、より多くの組織にとって有用な情報であると考えます。まずは付加価値の増加(=売上または利益の増加)に取り組んでいる事例を優先して目を通せば良いのではないかと考えます。

【厚生労働省】外国人労働者問題啓発月間

【厚生労働省】6月は「外国人労働者問題啓発月間」です

厚生労働省では6月を外国人労働者問題啓発月間として、外国人労働者、技能実習生に関する啓発活動を行うようです。

この記事では、外国人を雇用する際に留意すべき点のうち、

  1. 就労制限
  2. ハローワークへの届出

について、基本的な内容をおさらいしたいと思います。

1 就労制限

【法務省入国管理局】リーフレット「外国人を雇用する事業主の皆様へ 不法就労防止にご協力ください」

まず、不法就労の態様について説明されています。「滞在の許可がないのに就労する場合」、「滞在は認められているが、就労が許可されていない場合」、「許可された範囲を超えた就労をしている場合」の3つのケースを指摘しています。それぞれのケースの具体例は、リーフレットを参照してください。

在留許可の有無、就労制限の有無は、在留カードを確認することで把握できます。但し、(1)パスポートに後日在留カードを交付する旨の記載がある場合、(2)3月以下の在留期間である場合、(3)外交、公用の資格で入国した場合は、本人が在留カードを所持していないので注意してください。

そして、在留カードの記載内容を確認する際には次の3つのポイントがあると、リーフレットで説明されています。

(ア)「就労制限の有無」欄の確認

就労制限がある場合、この欄に何らかの記載があります。通常の労働者として雇用する場合に多くみられるのは、「在留資格に基づく就労活動のみ可」でしょう。この場合、在留資格の種類を確認して、雇用しようとする者に予定している業務が該当するか、確認が必要です。例えば外国料理の調理人としての資格で滞在しているのにも関わらず、事務職として雇用し、就業させることは認められません。

ところで、在留カードが失効していないか否かの確認も必須です。カードの右上に番号が記載されていますので、法務省の失効情報照会ページで確認することをおすすめします。

法務省入国管理局 在留カード等番号失効情報照会ページ

(イ)資格外活動許可欄の確認

(ア)を確認した結果、就労不可であっても、この欄に記載があれば、その範囲においては就労が可能です。例えば留学生が一定の条件の下であれば就労できるといった例が挙げられます。

(ウ)仮放免許可書の保有者

仮放免許可は在留資格ではなく、本来国外へ退去しなければならない人が、様々な理由で一時的に入管の収容施設への収容を解かれていることを証明するものです。許可証のなかの、その他欄に「職業又は報酬を受ける活動に従事できない」と記載されている場合は、その方は就労できないことに注意する必要があります。

(2)ハローワークへの届出

【厚生労働省】パンフレット「外国人雇用はルールを守って適正に」

外国人を雇用する事業主は、在留資格が「外交」、「公用」である場合を除き、ハローワークへ雇用した事実を届け出る必要があります。

雇用保険の被保険者になる場合は、「雇用保険被保険者資格取得届」によって届出ます。被保険者にならない場合は、「外国人雇用状況届出書」によって届け出ます。遺漏のないようにしましょう。届出内容の詳細は、パンフレットをご確認ください。

雇用保険手続きにマイナンバーの記載が必要となります

2018年5月から、雇用保険手続きの際にマイナンバーの記載が必須となりました。

【厚生労働省】事業主の皆様へ雇用保険手続の際には必ずマイナンバーの届出をお願いします(PDFファイル)

マイナンバーの記載が必要な手続きは以下の通りです。

  • 雇用保険被保険者資格取得届
  • 雇用保険被保険者資格喪失届
  • 雇用継続給付(高齢者、育児休業者、介護休業者)に係る手続き

ただし、すでに他の届出で、同じ被保険者のマイナンバーを記載した過去がある場合は、様式の余白に「マイナンバー届出済」と記載することで、番号の記載を省略できます。

また、労働者からマイナンバーを提供してもらえない場合も、余白に「本人事由によりマイナンバー届出不可」と記載することで、番号の記載を省略できます。

健康保険の保険料改定について

健康保険料率は、毎年3月分(納期は4月末。今年については5/2)から改定されることとなっています。例年通り、今年の協会けんぽの3月以降分の料率が発表されました。

さらに今年に限った改正として、4月分より健康保険及び船員保険の標準報酬月額の上限改定および累計標準賞与の上限の引き上げが行われます(厚生年金は変わりません)。

従って今年に限っては、3月と4月に続けて健康保険料が改定になる方がいますので注意が必要です。
それぞれについて以下の通り説明します。

1 健康保険料率の改定(平成28年3月分以降 保険料納期:同年5月2日)

協会けんぽWebサイト/平成28年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます

こちらは例年通りの改定ですので、改定時期も例年と同様です。
全国平均では10.0%に据え置きとなるようですが、各都道府県単位でみると、保険料率が変わっているところがあります。東京都も9.97%から9.96%に変わるようです。
なお、介護保険料は全国一律で1.58%で、こちらは昨年と変わっていません。(保険料率はいずれも総額です。被保険者及び事業主が折半負担します。)

2 健康保険・船員保険の標準報酬月額の上限改定、累計標準賞与の上限の引き上げ(平成28年4月分以降 保険料納期:同年5月31日)

健康保険・船員保険の標準報酬月額の上限改定及び累計標準賞与額の上限変更

健康保険法及び船員保険法における、現在の標準報酬月額の最高等級(47級・121万円)の上に3等級が追加されることで、上限が引き上げられます。
また、健康保険法及び船員保険法における年度の累計標準賞与額の上限が540万円から573万円に引き上げられます。

いずれも、「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律」が施行されることに伴う改正です。

改定のための事務は、健康保険と船員保険で手続きが異なります。
健康保険では、事業主からの届出等の事務は不要です。平成28年4月に年金事務所から対象者に係る「標準報酬改定通知」が送付される予定です(組合管掌の場合は、念のため健保組合に確認してください)。
船員保険については、年金事務所から送付される「報酬月額変更届」を用いて、年金事務所へ届け出る必要があります。その届出に応答する形で、年金事務所から「標準報酬改定通知」が送付される予定です。

最後に被保険者に対する事務についてですが、新しい標準報酬が決定したら被保険者に通知することも忘れずに行うようにしましょう。

下請中小企業・小規模事業者自立化支援対策費補助金の2次公募について

下請け中小企業・小規模事業者自立化支援対策補助金は、発注元企業の閉鎖・縮小、またはその予定により、売上高が10%以上減少する見込みのある企業を対象としています。この補助金の2次公募が始まりました。

公募期間は平成29年7月13日(木)~平成29年8月21日(月)です。

【中小企業庁】平成29年度予算「下請中小企業・小規模事業者自立化支援対策費補助金(下請小規模事業者等新分野需要開拓支援事業)」の2次公募を開始します

公募要領

この補助金では、大きな取引先を失ったことで、新たな販路開拓をする場合の費用が補助されます。補助対象経費は、事業費、販路開拓費、試作開発費で、補助率は3分の2、上限は500万円(下限は100万円)です。

補助対象経費をもう少し詳しく見ましょう。まず、事業費については特許権等の知的財産権の取得費用、事業遂行に必要な調査費などが含まれます。販路開拓費については、展示会関連経費や広報費(チラシ、Webサイト制作費用等)などが対象となっています。そして試作開発費は、機器のリース代、購入費用、試作費、実験費が補助されます。

大きな取引先を失った場合、まずは不要不急の経費を見直して、少しでも確実に会社の中に資金が残るような対策をする(つまりコストカットです)ことになりますが、それだけでは事業は長く続かないでしょう。新たな販路を開拓するためには様々な費用を要しますが、このような補助金を使うのも一つの方法であると思います。該当される方は、ぜひ検討してみてください。

「建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する基本的な計画」について

平成29年6月9日に「建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する基本的な計画」が閣議決定されました。この計画は、今年の3月から施行された建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律に基づく計画です。

【厚生労働省】「建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する基本的な計画」が策定されました

計画の概要

計画本文

計画は、1 現状と課題、2 基本方針、3 講ずべき施策、4 必要とされる事項の4つで構成されています。

1現状認識では、労災死亡事故が長期にわたって減少している現状を評価しつつも、一人親方等(一人親方、自営業主、家族従事者)を含めた従事者全体で年間約400名が亡くなっていることを指摘し、労働安全衛生法の対象とならない一人親方等への特段の配慮の必要性を指摘しています。
また、中長期的な担い手不足に備えるための対策が必要であるとしています。技能労働者の賃金が他の産業と比較して低廉であること、週休二日制の導入が不十分で労働時間が長くなっている点が指摘されています。

そこで、2基本的な方針として、適正な請負代金・工期の設定と、それによる従事者の処遇改善と地位の向上が挙げられています。さらに安全意識の一層の醸成と、設計・施工等の各段階における措置の重要性を指摘しています。

具体的な3講ずべき施策については、まず安全や健康確保に関する経費の明確な積算を求めています。そして安全や健康確保に配慮した工期の設定ができ、さらに工期の変更も可能となるような環境を整備するとしています。
また、建設現場では請負契約に基づき、当事者は各々の役割を担っていますので、その責任を明確にするために、立入検査を通じて、一括請負が行われていないか、専任の技術者が配置されているか等を確認するとしています。
さらに、一人親方等に関しては、建設現場一体となった安全管理を確保していくために、元請負人による統括安全衛生管理の徹底を図り、労働者だけでなく一人親方等の事故も把握・分析していくことが重要であるとしています。また、労災保険の特別加入を促していく必要性も指摘しています。
現場の安全性の点検に関し、労働安全衛生法上の義務的な措置にとどまらず、リスクアセスメント等を積極的に実施すること、施策の計画、実施、評価、改善といったマネジメントサイクルを構築することが重要であるとしています。また、ICTを用いた建機の活用や、設計段階での安全上の工夫をすることも促進させたいようです。
最後に取り上げられた施策は、作業者の安全健康に関する啓発活動です。不安全行動の防止に資する研修の実施、自主的取り組みを促す情報発信の重要性を指摘しています。

4必要とされる事項として、最初に取り上げられているのは、社会保険の加入です。実務家としての肌感覚では、近年はかなり加入手続きが進んでいるように思いますが、さらなる徹底が必要であるとしています。特に今年は平成24年に制定された「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」から5年が計画する節目の年です。行政機関の積極的な取り組みが予想されます。
さらに、建設労働者のキャリアアップシステムや、週休二日制の定着などの「働き方改革」に即した事項、墜落・転落災害防止への一層の取り組みなどが指摘されています。

最後に、最近起きた出来事に関することを述べたいと思います。オリンピック関連施設で発生した労働者の自殺が、過労自殺ではないかと報道されていることです。オリンピックの開催のために今後同様の問題が発生する恐れは十分にあると思います。この計画がどこまで効果を示すことができるのか、注視したいと思います。

産業医制度に関する厚生労働省令の改正について

産業医制度に関して、労働安全衛生規則等の厚生労働省令が改正され、平成29年6月1日より施行されます。産業医による事業所の巡視回数の規制が緩和される等の改正が行われます。

【厚生労働省Webサイト】産業医制度の在り方に関する検討会を踏まえた労働安全衛生規則等の一部改正について

【中災防Webサイト】労働安全衛生規則等の一部を改正する省令

【厚生労働省Webサイト】労働安全衛生規則等の一部を改正する省令等の施行について(H29.3.31 基発0331第68号)PDFファイル

以下、改正内容の概要をご紹介します。なお、改正省令の原文は中災防のサイトを、改正の趣旨や詳細については施行通達を確認してください。

1 産業医の定期巡視の頻度の緩和
以下の3つの要件を満たす場合、毎月一回以上の定期巡視を2ヵ月に一回にすることができるようになりました。
1)事業者の同意
2)衛生管理者の巡視結果の情報の提供
3)衛生委員会で提供すると決めた、労働者の健康障害防止・健康保持に有用な情報の提供(具体例は、施行通達 第2-1-(1)-○5を参照してください。)
※施行通達で、2)、3)の情報に加えて、時間外労働時間が100時間を超えた者の氏名と超えた時間を提供することが求められている点に注意が必要です。

2 健康診断結果に基づく医師の意見聴取を行う際の情報提供
事業者は、意見聴取を行う医師から求めがあった場合、速やかに労働者の業務に関する情報提供しなければならない旨が定められました。施行通達には、労働者の業務に関する情報として、作業環境、作業態様、労働時間等があげられています。

3 産業医に対する長時間労働者に関する情報提供
時間外労働時間が100時間を超える者に対する医師の面接指導に関し、事業者は労働時間の集計を行う必要がありますが、その集計をした場合に、その労働者の氏名と、時間外労働時間100時間を超えたを時間に関する情報を産業医に提供しなければならないこととなりました。

4 特殊健康診断の異常所見者に対する医師の意見聴取の情報提供
特殊健康診断の異常所見者に対する就業上の措置に関する医師の意見聴取についても、医師の求めがある場合、労働者の業務に関する情報を提供しなければならないとされました。対象となる省令は以下の8つです。

・有機溶剤中毒予防規則
・鉛中毒予防規則(昭和47年労働省令第37号)
・四アルキル鉛中毒予防規則(昭和47年労働省令第38号)
・特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号)
・高気圧作業安全衛生規則(昭和47年労働省令第40号)
・電離放射線障害防止規則(昭和47年労働省令第41号)
・石綿障害予防規則(平成17年厚生労働省令第21号)
・東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則(平成23年厚生労働省令第152号)

以上が一連の厚生労働省令の改正内容です。産業医の巡視頻度については、どのような情報を提供すれば問題なく巡視頻度を減らせるのか、産業医とよく話し合って、慎重に決める必要があるでしょう。