日本経団連/「健康経営」への取組状況

日本経団連が、「健康経営」に関して会員企業に行った調査結果が公表されています。今年の事業方針に「健康経営」の普及・啓発を挙げているようで、まずは現状を把握したということなのでしょうか。

以下にその概要と、私なりのコメントをしてみたいと思います。

1 健康経営に取り組む目的
調査結果の一番初めに、目的について尋ねた項目がありました。企業イメージの向上といった漠然とした目的よりも、業務効率・生産性向上や経営リスク(安全配慮義務違反、不法行為)の回避のような、直接的な目的を挙げている企業が多いようです。

生産性向上という点で気づいた点は、労働災害においては強度率などの労働災害による労働損失日数という概念があることです。それを私傷病にまで拡張した概念ということもできるのかな、、と感じました。労働者が健康障害で欠勤をすれば、稼働日数が少なくなり、生産性が高まらないという視点です。

2 健康経営の評価指標
高い順に、定期健診の受診率、総労働時間、定期健診の有所見率、労働者の健康状態の改善率となっています。

総労働時間を意識しているのは、1の経営リスクとの兼ね合いもあるのだろうなと思います。長時間労働によって健康障害が発生した場合、企業の責任が問われることが多いからです。
また、健康状態の改善率については、確かに評価指標になると言えますが、行き過ぎると問題が生じるかもしれないと感じました。例えば、肥満であれば昇格させないといったことに、繋がらないとは言い切れないのでは?と感じた次第です。

3 今後との課題
健康経営に取り組むうえでの課題としては、トップに労働者の関心、その後に取組推進体制・人員・予算・情報収集といった項目が続いています。

取組体制を整え、予算と人員を確保して、情報収集をしっかりしたうえで、労働者へ働きかけを行い、関心を高めてもらうということでしょうか。

以上、色々と感想を述べてきましたが、働く人たちが健康であれば、労使ともにメリットがあるという話は確かにその通りだと思います。
それを考えると、お互いが協力して進められるようになれば、一番よいのかなと思いました。
一人一人の健康が確保されることで、そこで働く人たちの幸福が少しでも高まればよいなあと感じだ次第です。

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