経済産業省補助金/ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金

この補助金は、平成27年度補正予算によって措置されました。「革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善」のための設備投資等を支援します。

公募期間はすでに始まっており、締め切りは4月13日です。残り1ヵ月になりました。
今回は、審査の着眼点や加点ポイントをおさらいしてみようと思います。

既に計画書の作成が進んでおられる方も多いと思いますが、ご参考にして頂けると幸いです。

1 用語の解説
(1)革新的サービス分野での申請について
中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン(PDFファイル)で示された方法、すなわち、付加価値向上の取組として、誰に(新規顧客層への展開or商圏の拡大)、何を(独自性・独創性の発揮orブランド力の強化or顧客満足度の工場)、どうやって(価値や品質の見える化or機能分化・連携orIT利活用)を検討する手法を示しています。
併せて、効率の向上のためにサービス提供プロセスの改善、IT利活用を検討する手法を示しています。
革新的サービス分野で補助金を申請する場合は、計画に上記の内、どの手法を用いるのかを明記したうえで、付加価値額や経常利益の向上を図ることを記載する必要があります。

(2)ものづくり技術分野での申請について
公募要領29頁に示された、「特定ものづくり基盤技術」(中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律第2条2項)の高度化に資する取組が求められています。
革新的サービス分野で補助金を申請する場合は、計画に特定ものづくり基盤技術を活用した、革新的な試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上させる内容を記載する必要があります。

2 審査の着眼点(公募要領(PDFファイル)pp15-16,pp22-23より)
※の内容は、私の意見です。

(1)技術面

1.付加価値額、経常利益の増大を達成する取り組みであること(高度生産性向上型においては、投資利益率の増大)
2.新製品、新技術、新サービス開発の課題が明確になっており、その課題達成のための手段が具体的(例えば、必要な開発内容、材料、機械装置を明記する)で、達成目標が明らかであること。
3.課題の解決方法が明確かつ妥当で、優位性が認められること(※それを示すためにも、2をきちんと書く)
4.事業計画達成のための体制および技術的能力が備わっていること(※そのため、これまでの取組実績と、計画目標が達成されたときに獲得できる経営要素とその効果を明記する)

(2)事業化面
1.事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)、財務内容が、補助事業を遂行するのに十分だと期待できること
2.市場ニーズが考慮されていること。補助事業の成果を事業化するにあたってユーザ、マーケット、市場規模が明確であること
3.補助事業の成果そのものについて、価格や性能等上の強みが存在すること
4.事業化までの遂行方法やスケジュールが妥当であること

(3)政策面
1.他の企業のモデルとなりうる事業であること
2.国の方針(例えば賃金上昇に資する取組み)と整合性を持ち、地域経済と雇用の支援につながることが期待できる計画であること
3.金融機関からの十分な資金の調達が見込めること
4.競争力強化につながる経営資源の蓄積(例えば生産能力の向上)につながるものであること

4 加点ポイント
賃上げ等に取り組む企業であること
TPP加盟国等への海外展開により海外市場の新たな獲得を目指す企業であること
現に有効な経営革新計画の認定を受けている企業であること
小規模型に応募する小規模企業者であること
(3)政策面の2にある、国の方針には、加点ポイントで示された内容が含まれているのではないかと思います。
さらに、政府が進めている政策に整合的な取組は審査で有利に働くと考えます。
例えば、女性活躍、一億総活躍(高齢者対策)、地方創生、省エネルギー・再生エネルギーへの取組などが考えられるでしょう。

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